自分のことを棚にあげて人の外見を過去と比べてばかりいる男が最低でした。

今まで仕事が忙しく、その後は妊娠や出産でタイミングが悪くて、今まで一度も同窓会というものに出たことがなかったのです。そして子供が二人とも小学生になった後、やっと高校の時の同窓会に誘われました。家族の協力もあって参加出来ることになり、仲良しだった友達と待ち合わせしてドキドキと会場に向かったのです。

 

会場は大阪のホテルで、ロビーでは懐かしい人達が時間までウロウロしていました。しばらくぶりで名前が出てこない人が多かったのですが、会場にうつってからは名札をつけたので会話も弾み、楽しく喋っていたのです。パーティーは立食だったのですが、一度料理を取りに行った時に私の次に料理を取っていた男の人が「あ、〇〇さん(旧姓)だね、ひさしぶり」と話しかけてきたので、振り返ると一時期同じ委員会をしていた男の子でした。

 

相手も40代になり、やっぱり10代の線の細さはなく髪も薄くなっていたので、最初はわからなかったのです。だけど気がついて笑いかけ、「久しぶりだね」と返しました。すると私が取っていた料理の皿を覗き込んで、「え、そんなに食べるつもり?かなり太ったなーと思ってたのに、まだ太っちゃうよ?」と言われたのです。ビックリしました。
その男の子とは委員会で一緒でしたから色々と共同作業もしていましたが、さほど仲が良かったわけではありません。よく喋った相手なら冗談で済ますことも出来たでしょうが、冗談を言う間柄ですらなかったのです。面くらいましたが私もそれなりに社会で経験を積んでいますから「だって美味しいものはちゃんと頂かないとねー」と返しました。むっとした表情は敢えてみせてそういったのです。

 

「ごめんごめん」という謝罪を期待していました。ところが相手は私の対応にも気がつかず、「うわー、よく見たら本当にぽっちゃりしたね。あの頃は足も細かったし、髪もさらさらだったのに、今はちょっとねえ」と続けるのです。腹が立ちました。自分だって人のことを言えないおじさんなのに、どうしてそんなことが女性に言えるのか、と思ったのです。

 

あんまりに腹がたったので、つい立ち止まって相手を爪先から頭のてっぺんまでジロジロと眺めまわし「あなたも随分おじさんになったね。髪は薄いし、お腹もかなりぶよぶよしてるし」と言い返しました。彼は外見はさほど悪いとは思いませんが、背が低くて小太り、スーツは中々良いものを着ているようでしたが色あわせがおかしかったです。

 

すると相手は顔を真っ赤にしてお皿をつかみ、ぷりぷりと去っていきました。ドキドキしましたが言い返せてちょっとすっきりしたので、友達の輪に戻ってこのことを告白、すると幹事をしているクラスメイトからその同級生はいまだ独身であること、最近流行りの同窓会不倫を目的に参加したらしいことなどを教えて貰いました。もしかして私にアプローチしてきたのだろうか、と思いましたが、そうであれば史上最低のアプローチだなと思いました。