中学時代もNGだった同級生は十年経ってもNGでした。

「中学時代の同窓会が先日都内のホテルを会場に行われ、懐かしい顔を久しぶりに見れるとウキウキしながら出掛けました。中学を卒業してから約十年、「ヤンチャだったあの子も少しは大人になったかな?」と、思い出し笑いをしながら電車に揺られていました。

 

中学卒業間近に、男子は女子に女子は男子に告白し「彼氏や彼女」として付き合うことが流行り、「告白合戦」のような様相になっていた時期がありました。見掛けは取り立て悪い方ではないのに、女子に告白をしてもいい返事が貰えない男の子がいたのです。女の子は大抵、早朝教室に訪れ、好きな男子のロッカーにラブレターをソッと忍ばせ、体育館の裏や裏門に男の子を呼び出し告白をしていました。

 

「告白をしてもいい返事が貰えない男の子」は、一度もロッカーにラブレターが入っていたことがなく「どうしてオレに誰も告白しないんだよ。」とよく教室で喚いていたのです。今にして思えば告白合戦の様なシチュエーションに自分も身を置きたいだけで、本心から好きになる女の子もいなかったのかも知れません。その男の子は女子から全く相手にされず、男子からも少し軽く見られていたのです。

 

そんな彼も中学卒業から十年経ち、どんな「大人の男性」になっているのか楽しみでもありました。そんなことを思い出し揺られる電車の中で、一人の男性に声を掛けられました。私の前に立ち塞がりジッと私を見詰め仁王立ちで「お前、2組だった、え~っと一緒のクラスの・・」と声を掛けてきたのです。私は直ぐにこの男性があの「男の子だ」と分かりましたが、中学時代のままの雰囲気の彼と電車の中で話す気にならず、スルーをしてしまいました。彼は「人違いが・・」と呟き離れて座っていましたが、「失礼しました」の一言もなく相変わらずの彼に僅かに怒りさえ覚えてしまいました。

 

電車を降り同窓会が行われるホテルへ急ぎ懐かしい友人達に再会しました。中学当時から人気があった男の子は、十年の月日が更に彼らを素敵に成長させていました。そんな会場にあの彼が到着し、中学時代のあのころのように片っ端から女子に交際を申し込み、同窓生から大顰蹙をかったのです。中学時代もNGだったこの男の子は、大人の男性に成長してからもやっぱりNGでした。