爽やかなで物腰柔らかい彼はとても好印象でした。

高校の同窓会がホテルのレストランで行われました。それまでにも何度か同窓会は開催されていたようですが、賑やかな場所が苦手な私はいつも断っていたのです。

 

今回参加しようと思ったのは、お世話になった先生も参加されるということを聞いたからです。私はその先生のおかげで将来やりたいことが見つかり、そのために進むべき大学も導いていただきました。

 

当日、正装をして友人と会場へ入りました。思っていた以上にたくさんの同級生がいたのでびっくりしました。今まで何度も同窓会に参加している友人でさえ「こんなに出席率の高い同窓会は初めて!」と驚きを隠せない様子でした。

 

少人数よりは大人数の方が私としては有難かったのでホッとしていました。

 

顔の広い友人は、いろんな人に「久しぶり!」話しかけ、甲高い声を上げながらキャーキャー騒いでいました。私はその様子に少し気後れしながらも友人の隣でニコニコしていました。

 

しばらくして、あまりのテンションの高さについていけなくなった私は、お手洗いと称してその場を離れました。本来の目的はお世話になった先生を探したかったのです。

 

先生はたくさんの人に囲まれ、楽しそうに話していました。私もさり気なく中に入ればいいのですが、そういったことが苦手で、ついいつもの癖でモジモジしてしまいました。そんな自分が情けなくなり、私は昔から全く変わっていないなとため息が漏れました。

 

その時、不意に肩を叩かれ振り返るとスーツを着た男性がニッコリと笑いました。見たことのある顔だけれど名前が思い出せません。私が困っていると彼はくすっと笑い、自分の名前を言いました。

 

名前を聞いてもすぐには思い出せませんでしたが、アッ!と思い出すと彼はまた笑いました。そして「俺、存在薄かったから。」とおちゃらけて言いました。

 

彼とは同じクラスにはなったことはなかったのですが、私の携帯電話を拾ってくれたことがきっかけで顔見知りになったのでした。といっても会話は廊下で会った時の挨拶程度で、それ以外には特に接点はありませんでした。さらに彼は野球部に所属しており、常に短髪だったため余計にわからなかったのです。

 

でも、物腰柔らかいところや、優しい声はあの頃と変わってはいませんでした。

 

髪が伸びて見た目はすっかり変わってしまいましたが、爽やかな目元は健在でした。清潔感に溢れていた彼にすごく好印象を持ちました。

 

そこからお互い連絡先を交換し合い、仲良くなりました。