同窓会の幹事を引き受けた彼は人としての魅力にも溢れる彼でした。

高校時代、誰にでも親切な優しい男子に恋心を抱いていました。長身で細身の彼は物静かで大人っぽい雰囲気も持ち合わせていました。ガリ勉タイプやスポーツマン、お笑い芸人さんの様な多彩なタイプの男子が集まるクラスの中で彼だけは、チョット離れた場所からクラス内を見守っている様な人でした。

 

高校を卒業し5年、同窓会の往復はがきがポストに届きました。私が卒業した高校は立候補や推薦、選挙で5年後に同窓会を開く幹事を決定して卒業する決まりがありました。私達の学年はユーモアのセンスに溢れた学友がとにかく多い学年で、直ぐに幹事は決まるだろうと思っていました。しかし、立候補者は出ず中々5年後の「第1回目の幹事」が決まりませんでした。立候補者が出ない場合は推薦をし選挙で決める決まりでした。推薦は、10名以上の推薦者が必要でした。なり手がいない幹事を誰かに決めなければ、5年後の同窓会は開かれることはありません。みんなは「同窓会には出席はしたいけれど、面倒なことは引き受けたくない」という勝手なところがありました。

 

そんな誰かが誰かに押し付けようとする中で、彼が「今からでも立候補できるなら僕が幹事をやります。」と学年集会で手を挙げたのです。学年集会で立候補し幹事になった彼は、大きな拍手の中で「5年後の同窓会を楽しみにしていてください。」と挨拶をしました。彼はその学年集会で、一緒に同窓会を取り仕切るメンバーを募りました。彼が幹事ならとメンバーは直ぐに決まりました。私も彼が幹事なら一緒に同窓会を主催する側になりたいとメンバーになりました。

 

私達がポストに投函をした往復はがきが手元に届き同窓会の日が訪れました。同窓会はホテルの最上階の夜景が綺麗に見渡せるレストランを会場にして開きました。同窓会の幹事となった彼が挨拶をし同窓会が始まりました。同窓会を開くために幹事の彼はメンバーに声を掛け何度か集まり、同窓会の会場などを決めるために手を尽くしていました。第1回目の同窓会は彼のお陰で大成功の中で幕を閉じました。そんな彼から「手伝ってくれてありがとう。」といわれ心が温かくなりました。同窓会を主催する側のメンバーに入り彼と再会し同窓会の準備をする中で、彼と私はお付き合いを始めることになりました。誰かのため人のために力を惜しまない彼は、人としての魅力にも溢れる彼でした。